I.M.ペイといえば、ルーブルの中庭に巨大なガラスのピラミッドを置いた建築家。なんと突飛な、と思われるかもしれないけれど、ルーブルが所蔵する作品の多くはローマ、ギリシアからエジプトに至るまでの古代美術。ここからペイはピラミッドをモチーフとするに至ったわけで奇をてらったわけではない。彼の作る物を見るのは何をモチーフとしたのか考える楽しみがある。
Dezeenにペイによるイスラム美術館が紹介されている。場所はカタールのドーハ。イスラムの起源を探り、様々なところを取材し、この形に至ったと建築家本人が言っている。写真を眺めていて驚いたのは精密画や精緻な模様がないのにイスラムらしさはあるということ。そうした色彩を取り去った後に残るのは確かに幾何学的な形の連続だ。美術館は美術を見せるためにあり、壁は白でありたい。だからこの形。ペイの建築は理屈が読めるのだ。
» Museum of Islamic Art by I.M. Pei|Dezeen
もしも一番上の四角がドームだったらイスラム建築に見えますが、そこを幾何学的に工夫。
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ペイがモチーフとしたというカイロのイブン・トゥルン・モスク。上部の面の削り方こそ違うものの、そこに通じるものがあります。下層に施された縞模様は取り出されて一部に施されています。

» Ibn Tulun Mosque, Cairo
» I.M. Pei


