会場を包むように楕円を描いて並ぶ40台のスピーカー。16世紀にタリスによって作られたモテットが一斉に流れる。そしてどのスピーカーも1人の音を流している。「40声のモテット」という作品タイトル通り、コンセプトがまさしく目に見え、耳に聴こえる驚き。この作品は強い。昨日がレセプションで今日から公開されるメゾンエルメスの8階、フォーラムでの展覧会「ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー」には圧倒された。どきどきしながらスピーカーの林を歩き続けるような感じだ。
» Janet Cardiff & George Bures Miller
ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラーはカナダ出身、カナダとドイツを拠点として活動しているアーティストのユニット。「40声のモテット」はジャネット・カーディフによる作品。
会場では誰もが嬉しそうに音楽に聞き入っていた。この作品はどんな人でも楽しめると思う。音楽に興味がない人でもスピーカーの描く楕円に沿って歩いて行けばそれぞれの人の声がすっと入って来たりする驚きは充分に楽しめる。音楽をじっくり聞きたければ真ん中のベンチに座って聞けばいい。それぞれに楽しめる。
ちょっとだけ面白さの奥をご紹介しておきたい。合唱が流れていない時にそれぞれのスピーカーに近づいてみていただきたい。するとあるスピーカーではひそひそとおしゃべり、あるスピーカーからは呼吸する音と演奏の前後にも工夫が凝らされている。ともかく、行って、見て、聞いて、感じてほしい。
会場にはもうひとつ2人によって作られた「ナイト・カヌーイング」というビデオ作品がある。こちらはひっそりと。


