なかなかいい記事だなあと思って、身近にあるロゴ(なんでもいいんです、商品名でも店舗でも会社でも)を眺めてしまいました。「素晴らしいロゴをデザインするための45の法則」。
» 素晴らしいロゴをデザインするための45の法則
ポール・ランドだったらどういうのかなとふと思いましたが、視認性の大切さがよくわかります。パッと見て類似したものがないことがとても重要です。ランドはそれを「小さくしてもわかること」とよく言っていたように思います。
45もあるとなかなか難しいようですが、実際はこのうちの10個程度に当てはまれば他の多くも満たしていると思います。個人的に強く賛成したいのは「3つ以上の色を使わない」「可能ならロゴを正方形におさめる」「特別なエフェクトを使わない」「地球をシンボルに使わない」の4点。
3つ以上の色を使わない、というのは時代の変化の中で重要。かつてのドコモロゴを今見ると陳腐だと感じるのは間違いなく色遣い。あれを作った時には誰もそう感じなかったはずです。今見ると水色と赤の関係も緑と水色の関係も色合いが違うように感じますが、それは今どきからはずれているから。

可能ならロゴを正方形におさめる、というのはポール・ランドもしつこく言っています。縦長、横長、いずれにしてももっとも大きく使えるのが正方形。最近の日本のロゴは妙に横に長いのが多くて、縦長看板の見にくさはどうしようもありません。ドコモショップで見かける幟を見ればわかりますよね。あのロゴを縦に書くとなんだか全然わかりません。残念、ロゴとしての機能半減です。
特別なエフェクトを使わない、というのも全然理解されてないようで、たとえばグラデーション。企業の偉い人ってなぜかこういうのにひっかかりやすいので、ロゴ提案の時にはグラデーションの入っているものは絶対に出さない方がいいです。それから金銀のような光をイメージしたもの。印刷で再現性が低いので避けるべきです。
たとえばNHKの現在のロゴ。卵はもうレインボーグラデーションです。印刷で汚くなる代表例。なぜこれになってしまったかは「時の会長が虹色を気に入ってしまった」に違いありません。

そして普通に使われているのはこちらの深い灰色のたまごのもの。

視認性も含め、こちらの方がずっと使いやすいです。デザイナーとしてはこちらに落ち着いて欲しかったんだと思います。さらに、たまごなしの「昔のロゴから角が取れた」バージョンの使用率が高いのもそちらの方がパッと見でわかりやすいからでしょう。いろいろ用意しておいてよかった、とデザイン担当者は思っているに違いありません。
偉いのは視認性の高さ。たまご3つがこの形で並んでいて、中が塗りつぶしてあったとしても今の普通の日本人はこれをNHKのロゴだと認識してしまうでしょう。似た形はないのです。その上、別ロゴとも言えるNHKの文字だけのものも認める状態を作っています。(つまり問題は虹色部分なんです。)
» NHK(サイト内のロゴ使用状況に注目)
地球を使わない、というのも重要です。使っちゃってるところは早めに外した方がいいと思います。グローバルとか、エコとか、言いたいんでしょうけど、そんなことは今の時代には何のメッセージ性もありません。当然のことなんですから。
さて。辛口はこのくらいにしてこの45項目をほぼ満たしている、個人的にはその上を行ってるんじゃないかと思うロゴの話をしたいと思います。国立新美術館のロゴです。まず、一番重要なのですが、このロゴの類似品、どこにもありません。そして、四角いです。1色(使い方によって2色)です。作ったのは佐藤可士和。これ、近年の大ヒットだと私は思ってます。初めて見た時には何じゃこれ、と思いましたよ、確かに。しかし類似品がまったくないロゴはまだまだ作れるんだ、と感心しました。
一番下に小さなロゴがありますが、これでもわかりますよね? これが視認性です。
» 国立新美術館

